1981年10月から1982年3月まで放送された連続ドラマ「北の国から」が、2025年8月11日から全24話放送されました。
「北の国から」とはどんなドラマでしょうか?
「北の国から」とは?

「北の国から」は、妻・玲子(いしだあゆみ)の不倫がきっかけに、黒板五郎(田中邦衛)が、幼い息子の純(吉岡秀隆)、娘の蛍(中嶋朋子)を連れて、故郷である北海道の富良野へ移り住むところから始まります。
電気もない、水道、ガスもない、原始的な小屋での生活を始め、過酷な自然の中で、五郎は、不器用ながらも必死に子どもたちを育てます。
「北の国から」物語のテーマとは?



「北の国から」物語のテーマは、都市生活を捨てて大自然の中で生きる一家の姿を通して描かれる、親子の深い絆、人間の強さと弱さ、家族の再生、自然の共生といったテーマが、北海道の富良野が舞台に描かれています。
「北の国から」の魅力を紹介します。
「北の国から」の魅力とは?

20年以上にわたる家族の成長記録
「北の国から」の最大の魅力は、親子の関係性が、時代の流れとともにどう変化していくかを、20年以上にわたる長期的な視点で描かれていることです。
純と蛍は思春期を迎え、東京への憧れや恋、仕事、父への反発など葛藤と成長がリアルに丁寧に描かれています。
不器用ながらも、子どもたちに深い愛情を注ぐ五郎の姿は、感動を呼びます。
北海道・富良野の大自然
ドラマの舞台となった北海道・富良富の美しい自然、雪景色、花畑、広大な畑など四季の移り変わり自然の恵みが、黒板家の生活に深く関わってきます。
ドキュメンタリー番組のようなリアルな映像が、多くの視聴者を魅了しています。
息子純の心の声独特なナレーション
純の心の声であるナレーションは、このドラマの特徴でもあります。
純が感じた富良野の自然の美しさや、複雑な心の動きが、独特な詩的な言葉で語られ、「北の国から」の世界観に引き込まれていきます。
豪華キャストの演技
豪華キャスト陣による演技が見どころです。
物語に深みが出て、複雑な人間関係にも感情移入してしまいます。
物語に引き込まれ続きが見たくなります。
そんな「北の国から」の主要な登場人物を紹介します。
「北の国から」主要登場人物
ムームードメイン

黒板五郎(田中邦衛)
黒板純(吉岡秀隆)
黒板蛍(中嶋朋子)
黒板令子(いしだあゆみ)
宮前雪子(竹下景子)
中畑和夫(地井武男)
中畑みずえ(清水まゆみ)
北村草太(岩城滉一)
吉本つらら(松田美由紀)
木谷涼子(原田美枝子)
笠松正吉(中澤佳仁)
笠松みどり(林美智子)
笠松杵次(大友柳太朗)
成田新吉(ガッツ石松)
吉野(伊丹十三)
北村清吉(大滝秀治)
黒板家の家族の絆が核となり、人間関係、地域社会のかかわり、富良野で出会う人々の影響を受けながら変化していきます。
ドラマの代表的な名シーンはどのシーン?
「北の国から」ドラマの代表的な名シーンは?

笠松の祖父が老馬を売るシーン
連続ドラマ15話。
純の友達正吉の祖父・杵次は、18年苦楽をともにした老馬を手放し、五郎の家を訪ねて心情打ち明けます。
最後の晩餐にご馳走をだすと、何かを悟った様子の老馬。
翌朝には、老馬は頬寄せ涙を流していた様子を語る杵次。
杵次の目にも涙が…。
雨の中自転車で、家に帰る途中杵次は、川に転落し亡くなり住民に衝撃を与えました。
母の列車を見送る蛍
連続ドラマ17話。
離婚協議のため富良野にやってきた母令子。
母親の令子を許せない蛍は、会話もせず東京に帰る母親の見送りに来ませんでした。
しかし、母の乗る列車を走って追いかける蛍の姿が…。
蛍に気づいた母親は、窓から身を乗り出し全力で「蛍!」と叫ぶ。
冷たい態度を取っていても蛍は母親を嫌いになれない。
親と子の切ない別れが描かれました。
捨てられた靴を探す純と蛍
連続ドラマ23話。
母親の令子が突然亡くなり、純と蛍と雪子は上京。
葬儀の様子が描かれています。
令子の再婚相手は、令子の遺影の前でうなだれていた。
そんな令子の再婚相手の吉野に、純と蛍は新しい靴を買ってもらいます。
古いボロボロの靴は、一度捨てる選択する。
しかしそんなボロボロの靴は、父親の五郎、純、蛍が富良野で過ごした思い出が詰まった靴。
純と蛍は、夜の街に出てボロボロの靴を探しにいきました。
2025年8月「北の国から」ドラマシリーズの再放送に、視聴者から反響の声がありました。
どんな声があるのでしょうか?
視聴者からの声は?

『涙なしでは見られない』
『心揺さぶられる名場面の連続』
『人として忘れちゃいけないものを語りかけてくれる』
『早く続きが見たい』
『スペシャルドラマもみたい』
1981年~1982年のドラマシリーズ終了後に、北の国からは「スペシャルドラマ」が制作されています。
「スペシャルドラマもみたい」との声も寄せられています。
「スペシャルドラマ」は、8作。
「北の国から」スペシャルドラマを紹介します。
「北の国から」スペシャルドラマ

「北の国から’83冬」
東京から帰省し、正月休みに富良野へ帰ってきた五郎。
純の同級生みどりの息子正吉が家出。
みどりは、五郎に多額の借金の連帯保証人として責任を負わせたまま姿を消す。
「北の国から’84夏」
丸太小屋の火災をめぐる純と正吉の責任と卑怯の葛藤。
正吉は、正直に責任を認め、純は素直に罪を認められない心の揺れと向き合う。
この経験が、2人の友情と別れに繋がっていく。
「北の国から’87初恋」
中学3年生の純の初恋が描かれています。
純は、富良野の農家・大里家の裏にある風力発電の風車に興味を持ちます。
大里家の娘れい(横山めぐみ)と出会い一目ぼれし恋に落ちる。
れいが東京の高校へ進学することを知り、純も東京行きを考えるように。
「北の国から’89帰郷」
純は東京で職に就きながらも不真面目な素行で解雇され、富良野に帰郷。
蛍は、旭川の看護学校で学びながら予備校生の勇次(緒方直人)と出会い心を通わせます。
それぞれの思春期の悩みが描かれています。
「北の国から’92巣立ち」
東京のガソリンスタンドで働く純は、タマ子(裕木奈江)と知り合い妊娠と
堕胎。
タマ子の叔父に殴られる出来事が…。
五郎は、丸太小屋作り諦め丸太を手放しタマ子への慰謝料を作り謝罪へ向かう。
旭川の看護学校に通う蛍は、富良野の病院ではなく札幌の大きな病院で正看護師になる事を決意し恋人の勇次の元へ。
「北の国から’95秘密」
富良野で、ゴミ収集場で働く純は、シュウ(宮沢りえ)と出会い惹かれていく。
一方遠距離恋愛中の恋人れいとの関係に悩む姿が…。
札幌で看護師を辞めた蛍が、妻子ある男性と駈け落ちした事を知った五郎は…。
「北の国から’98時代」
純は、恋人のシュウの家族に挨拶しますが、職業が気に入られず2人の関係は破局へ。
落石の麓に暮らす蛍が、金策のため富良野に戻り親戚や友人を訪ねて歩く。
しかし五郎、純の家にはなぜか訪れない。
一体何のために金が必要なのか?
五郎は、有機農業を手伝い、炭焼きに凝る生活を送る。
「北の国から2002遺言」
シリーズ最終章。
純は、羅臼で廃棄物処理の仕事をしながらコンビニの店員・人妻の結(内田有紀)と出会い恋に落ちますが、結の夫である弘が戻ってきて2人の関係は危機を迎える。
蛍は、3歳になる息子・快と富良野で暮らしていた。
五郎の下腹部は、痛み出し精密検査を受ける決心をした。
「遺言を書いているか?」と、新吉に言われ書いてみることに…。
物語の集大成が描かれています。
21年間にわたって描かれる父と子どもたちの成長物語は、44年経った今でも色あせない魅力があり、多くの視聴者の感動を呼んでいます。
便利で、効率を追い求める現代において、人間として本当に大切なものは何かを問い見つめるきっかけにもなります。
2021年に黒板五郎役の田中邦衛は亡くなっています。
「北の国から」の続編はもう描かれない。
時間は、無限にあるわけではない。
完璧ではない、不器用、葛藤、迷い、過ちなどを乗り越えて成長していく登場人物にこそ感動があり、多くの視聴者の心に訴えるものがあるのではないでしょうか。
世代を超えた名作は永久に不滅。